top of page
検索

国際学会参加🇺🇸:IUFRO 3.08.00 Small Scale Forestry Research Group and 9.01.03 Extension and Knowledge Exchange Working Part に参加しました!

  • 執筆者の写真: ForestPolicy
    ForestPolicy
  • 1 日前
  • 読了時間: 6分

修士2年の江川です!


9/8-13にアメリカのシアトルで開催された小規模林業の国際学会に参加してきました🗽

私にとって初めての国際学会で、非常に不安ではありましたが学びの多い時間を過ごすことができました。

ここにその体験記を残そうと思います。


9/7-8 シアトルの会場へ向けて出発!

今回、北大からは江川と助教の尾分先生が参加をしました。尾分先生とは別の飛行機だったため、学会会場&宿泊場所のホテルで集合。


私は台北経由で行ったのですが、なんと搭乗口付近に森林・林業の環境教育(いわゆる木育)コーナーがありました!一際目を引く空間で、多くの人が立ち寄って展示を見たり、そこの空間でリラックスしていました🌳

経由地台北で見つけた木育コーナー
経由地台北で見つけた木育コーナー

8時間の乗り継ぎ待ちを経て、シアトルタコマ空港へ。

短パンサンダルで搭乗したら、機内が寒くて寒くて服装をミスったと反省。ブランケットで何とか寒さをしのぐこと10時間、現地時刻19:00に無事到着。


入国ゲートで並んでいたら、クルーズ旅行に来たおじさま、おばさまと出会いました。なんと、旭川からいらしたそう!初めての英語圏で緊張していた自分ですが、親しげに話をしてくれる方と出会ってほっこりした気持ちになり、入国手続きへ…。


ところがどっこい、入国ゲートの空港職人の方が高速英語で質問を投げかけてきて、何を言っているかわからず江川は玉砕されたのでした。

落ち込む江川に、おじさま、おばさまは「アメリカの人はみんな親切で優しいから大丈夫だよ」と、温かい言葉をかけてくださりました。本当に嬉しかったです…。


そんなこんなで、何とか入国でき、鉄道とバスを乗り継いで、会場&宿泊場であるエバレットのホテルに到着したのでした。


エバレット駅に停車していた巨大列車と江川
エバレット駅に停車していた巨大列車と江川
路線バスも2階建て!
路線バスも2階建て!


9/9-11 時差ボケにやられながらも、なんとか発表!


ホテルに到着してすぐ就寝。翌日から学会が始まりました!

今回の学会は小規模林業と併せて、森林・林業の普及知識交換のグループもジョイントして開催されたものだったので、世界的な森林認証であるFSCの研究者の方や、ゲーミングシステムを使った森林施業の普及などを研究されている方等、幅広い分野の方々がいらしていました。

ちなみに、国はというと、アメリカ、フィンランド、ドイツ、オーストリア、ポルトガル、インド、ネパールなどなど


ネイティブの英語に圧倒されながらも、なんとか聞きとれる範囲でインプット。

聞いていて印象的だったのは、国は違えど抱えている課題は結構同じであるということでした。

特に、森林を管理してる人は高齢の方が多く、次の若い世代にどう引き継ぐか、というのはどの国も同じ状況で議論が活発にされていることと知りました。


反対に、日本と違う点としては山火事がありました。日本は湿度が基本的に高いため自然発火による山火事の心配はありませんが、乾燥する地域を持つ国では、森林の手入れ不足による山火事のリスクなどが大きな課題となっています。この観点からも、海外では人が今まで手を入れてきた森林は放置せずに管理を続けることは重要視されています。森林所有者が管理を継続・継承していくことを進めるためには、何が課題か?どう解決すべきか? このような問いに向き合うことが、未来に豊かな森林を受け継ぐ第一歩であり、森林政策学の役割であると再認識しました。


ちなみに発表中に挟まるジョークで一番面白かったのは、

「スロベニアは小さい国でね、森林面積も町も、何もかも小さい。ま、僕を除いてはね!」

by大柄なジェントルマン


ところで自分の発表はというと、「小規模林業者はどのように収入を確保して経営を続けているか」について、北海道を事例に話しました。スピードトークという短い時間の発表だったため、多くを話すことはできなかったですが、日本の小規模林業の様子を海外の研究者の方にも知っていただけたかなと思います。質問も頂き、拙いながらもなんとか答えられました!


実は発表の日は、緊張と時差ボケにより、昼食をとってからホテルの部屋で爆睡してました。発表30分前に尾分先生に起こされたのは今や笑い話。おかげで、リラックスして発表をすることができました(笑)



初めて英語で発表
初めて英語で発表


9/10 フィールドトリップで、シアトルの森林を見学!

学会の中日は、参加者全員でバスに乗り、シアトルのコミュニティ林業の現場を訪れました。


1か所目は、「lake conner park」

会員制のキャンプ場のような場所で、メンバーは自分のサイトで自由に暮らすことができます。アメリカンサイズのトレーラーハウスが何個もあり、休日に森へ訪れて時間を過ごすようです。

会費収入や、管理の際に伐った木材を売ったりして森林を経営しているそうで、技術者のような方がここにはいらっしゃいました。

ここが、アメリカに来て初めて目にした森林だったのですが、そのスケールに終始圧倒…。

日本では見られない高さの木が当たり前のように並んでいて、非常に感動しました!

ree



2か所目は「crystal lake tree farm」

ここは、小規模に森林を経営している場所で、植樹した現場を見学させていただきました。

自然や社会への配慮に対応したことを認めるFSC認証を取得しており、細やかな森林管理の現場を見ることができました。

ここで、樹種を色々と教えてもらったのですが、シアトル近辺の主な樹種は

・ダグラスファー(ベイマツ)

・ウエスタンレッドシダー(ベイスギ)

・ヘムロック(ベイツガ)

・メープル

と、種数は少なく、すぐに覚えられました!

ree




夜は、海岸近くのサーモンハウスで晩餐会。

皆さん、気さくに話して下さり楽しい夜でした!

ree




9/12-14 ポストカンファレンスツアー

11日にイベント自体は終了。

12日からは、オプションツアーとして、

・小規模林業地の現場巡り

・Mt.レーニアを望める山小屋ホテルで宿泊

・Mt.セントへレンズの火山と森林再生を学ぶ

などなどしました。


ちょっと疲れたので、ここからは写真と共にダイジェストで!

エバレットの街並み
エバレットの街並み

スーパーのお酒コーナー 箱単位でしか売っていない!
スーパーのお酒コーナー 箱単位でしか売っていない!
日本と繋がりの深い林業会社Weyerhaeuserのラーニングセンター
日本と繋がりの深い林業会社Weyerhaeuserのラーニングセンター
Mt. レーニア 朝になって霧が晴れ、美しい山々を望めました!
Mt. レーニア 朝になって霧が晴れ、美しい山々を望めました!
雲海も!
雲海も!
Mt.レーニア中腹にあるホテル「パラダイス イン」で宿泊
Mt.レーニア中腹にあるホテル「パラダイス イン」で宿泊

森林浴エリアを探索
森林浴エリアを探索
45年前に大噴火で頂上が吹き飛んだ、Mt.セントへレンズ。										手前に広がるのは人々の努力によって取り戻した美しい人工林
45年前に大噴火で頂上が吹き飛んだ、Mt.セントへレンズ。 手前に広がるのは人々の努力によって取り戻した美しい人工林
管理してきた森の歴史と思いを教えてくださった山主さん
管理してきた森の歴史と思いを教えてくださった山主さん



アメリカの大自然と、その中で思いをもって細やかに森林と向き合っている方々にお会いすることができました。

今までは日本の、特に北海道の森林しか見る機会がなかったですが、今回アメリカの現場を実際に目にし、また様々な国の方々と議論をすることで、日本の森林の特徴をより俯瞰してみることができることを知りました。そして、自分の知らない情報がたくさん飛び交っていて学びがたくさん!


今回の学会で得たモチベーションとインスピレーションを大切にして、引き継ぎ研究に励もうと思います!


学会主催者の皆様、学会中にお世話になったすべての皆様、ありがとうございました!



 
 

最新記事

すべて表示
2025年前期ゼミが終了しました

2025年度前期のゼミ活動が終了しました。 今期も、学部4年生から修士・博士課程の学生まで、それぞれのテーマに沿って研究進捗報告を行い、毎週のゼミを通じて学び合いました。林業政策や木材利用、地域振興、野生動物との関係、都市の緑地、環境経済評価など、多様な関心が交差し、互いの...

 
 

©2023 北海道大学農学部・森林政策学研究室

bottom of page